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障害手当金について

厚生年金に入っている人が、病気やケガをして、初めて病院にかかった日から5年以内に“治った”と判断されたときに支給されるお金です。
「治った」といっても、完全に元通りではなく、少し障害が残っている場合に対象になります。
障害の重さは、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものです。

障害手当金は、一時金(1回だけ支給)で、金額は報酬比例の年金額 × 2倍(最低保証あり) です。

【症状固定の有無によって違ってくる】


・症状が固定していない(=治っていない)場合
障害手当金の程度であっても、
→ 障害厚生年金の3級に該当します。

・症状が固定した(=治ったと認められた)場合
→ 障害手当金の対象になります。


【障害手当金をもらった後に症状が悪化した場合】
悪化したら「治っていなかった」とみなされ、障害手当金を受け取った後に症状が悪くなった場合、
→ 実は症状固定ではなかった、と判断されます。

その結果、障害厚生年金に変更(裁定替え)できます。

このとき、
障害手当金は返還が必要になる場合があります。


●返還が必要なケース・不要なケース

① 同じ病気・ケガが悪化した場合
障害手当金を受け取った後、同じ傷病が悪化して年金の等級に該当したとき
→ 障害厚生年金に切り替えられます。(裁定替え)

原則、障害手当金は返還が必要。ただし、障害手当金を受け取ってから5年以上経っていれば返還不要です。

② 別の傷病が加わって、併せて重くなった場合
障害手当金の対象となった障害+新しい傷病を合わせて
→ 初めて1級・2級に該当した場合

このときは、障害厚生年金が支給されるが、障害手当金の返還は不要です。

 


2026年06月29日

過去請求時(不支給決定時)の書類の再利用(再請求時)について

過去に提出した初診日証明書類は、①〜④の条件をすべて満たす場合に限り、再請求時にもそのまま使用できます。

① 前回と同一傷病かつ同一初診日の請求であること。
② 前回の初診日証明書類の提出日が、平成29年度以降であること。
③ 前回の初診日証明書類の提出日が、5年以内であること。
④ 前回提出した初診日証明書類が、初診日として認められずに却下されたものではないこと。

上記のすべての要件を満たしている場合、「障害年金前回請求時の初診日証明書類の利用希望申出書」を提出することで、前回請求時の初診日証明書類を利用して請求することができます。


https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/shougai/shindansho/20200930.files/01.pdf

 

 

 

請求書類のコピーは、年金事務所などへ提出した後でも郵送で取り寄せることができます。


住所地を管轄する年金事務所(お客様相談室)へ、前回提出した日付と請求書類一式のコピーを送付してほしい旨を伝え、基礎年金番号・氏名・生年月日・住所を申し出ると、約1か月で自宅に届きます。

2026年05月28日

症状が重くなったときの手続きの方法

障害の程度が悪化した時に提出する書類として「額改定請求書」と「支給停止事由消滅届」があります。

■額改定請求書

 今現在、障害年金を受給している者(1級は除く)の障害状態が悪化した場合に提出する書類。


 障害年金の受給権発生日又は障害状態確認届において従前の障害等級以外に該当すると認められたとき(診査日)、額改定請求があった日から起算して1年を経過した日後に、請求することができます。

 → ただし、障害状態確認届の提出によって等級が変わらない場合は指定日から1年経過を要せず、いつでも額改定請求できる

また、例外として厚生労働省令で定める特定の事例に該当するものは、1年を待たずに請求することができます。


 

 額改定請求には額改定請求日前3か月以内の現症日の診断書の添付が必要です。

 

 

 

■支給停止消滅届

 障害年金の受給権はあるけれど、主に障害の程度が軽快したため、障害年金の全額が支給停止されている者の障害状態が悪化した場合に提出する書類。

支給停止事由消滅届は、原則として現症日で支給停止が解除され、解除日(診査日)の翌月分から支給開始となります。


したがって症状が重くなった時点の現症日の診断書の添付が必要です。
支給停止事由消滅届は、届出により現症日まで遡って支給停止解除となります。



2026年04月29日

返戻の機会を与えず不支給にした処分が取り消された重要裁決(令和5年(国)第301号)

今回紹介する裁決(令和5年(国)第301号)は、「精神科以外の医師でも、当時診察していた医師であれば精神の診断書を作成できる」 という極めて重要な判断を示しました。

さらに、保険者が請求人の申出を無視し、診断書提出の機会を奪ったまま不支給処分を行ったことが手続違反であると明確に指摘しています。

この記事では、この裁決の背景とポイントをわかりやすく解説します。

 


■ 事案の流れ
1. まずは「事後重症」で2級が決定
請求人は過去に頭蓋咽頭腫の手術歴があり、その後「器質性情緒不安定障害」で障害基礎年金2級が事後重症として認められていました。(いわゆる「先行処分」)

2. 次に「20歳到達日の障害認定日」で請求
その後、下垂体機能低下症を原因とする障害について、20歳到達日(障害認定日)での障害基礎年金を請求しました。


ここで問題となったのが、20歳当時は精神科を受診していなかったという点です。

 


■ 請求人は「返戻してほしい」と明確に申し出ていた
請求人は裁定請求時に「連絡事項書面」を提出し、次のように説明しています。

「20歳当時は精神科未受診だが、精神の診断書(様式120号の4)が必要であれば、当時診ていた内分泌科医が記載可能なので返戻してほしい」

つまり請求人は、「精神科未受診でも、当時の主治医が診断書を書けるので、必要なら返戻して指示をください」と丁寧に申し出ていたのです。

 


■ しかし保険者は「精神科未受診=診断書は無理」と判断
「精神科未受診だから精神の診断書は作れない」 と決めつけ、請求人の申出に一切応じず、そのまま不支給処分(原処分)を行ったのです。

 


■ 審査会の判断:この対応は「手続違反」であり不当だと、この保険者の対応を厳しく批判しています。

① 精神科以外の医師でも診断書は作成できると審査会は明確に述べています。

障害認定日当時に診察していた医師であれば精神科標榜でなくても精神の診断書を作成できる。その内容を確認もせず「認定できない」と決めつけたのは不適切。

② 請求人は「必要なら返戻してほしい」と申し出ていたにもかかわらず、保険者は連絡もせず、診断書提出の機会を奪いました。

審査会はこれを「適正な手続を尽くしていない」 と断じています。

③ 結論:原処分は取り消し
そのため審査会は 不支給処分の取り消しをしました。(支給決定ではない)


今回の裁決は、 請求人の申出を無視し、診断書提出の機会を奪った保険者の手続違反を明確に認定した という点で非常に重要です。
そして何より、 精神科以外の医師でも、当時診察していた医師であれば精神の診断書を作成できる という判断は、障害年金請求における大きな指針となります。


2026年03月24日

障害状態確認届(更新時の診断書)の提出期限を過ぎてしまったとき

障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金など)を受け取っている人が、決められた期限(原則誕生月の末日)までに「障害状態確認届」を提出しなかった場合、その翌月以降の支払月から年金の支給が一時的に止まります。

その後、届出が出されたら、その内容を審査して、支給を再開するかどうかを決めます。

 

 


●届出に書かれた「現症日」が、提出期限の翌日から1年以内の場合の対応


(1) 現症日が提出期限の翌日から3か月以内の場合
届出が1年以内に出されていて、現症日が提出期限の翌日から3か月以内なら、その3か月間は「これまでの障害等級が続いている」として年金を支給します。

提出期限の翌日から1年以内に「障害状態確認届」が提出されていて、増額改定が認められた場合は、原則として現症日が属する月の翌月分から増額された年金が支給されます。
ただし、現症日が提出期限の翌日から2か月以内にある場合は、提出期限の属する月の翌月から現症日の属する月までの期間については、従前の障害等級(増額前の金額)で支給されることになっています。

(2) 現症日が3か月を超えている場合、
この場合は、「現症日までの間(=要推認期間)」に障害の状態が続いていたかどうかを医学的に判断します。

継続していたと推認できる場合 → その期間の年金も支給されます。(差止解除)
継続していたと判断できない場合 → その期間の年金は支給されません。

 

 


●現症日・届出が1年を超えて出された場合


現症日が提出期限の翌日から1年を超えている場合、1年ごとに区切って、それぞれの期間について届出します。
この場合も、この場合は、「現症日までの間(=要推認期間)」に障害の状態が続いていたかどうかを医学的に判断します。

2026年02月26日
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